2月分。
- 『書評家<狐>の読書遺産』 山村修
★★★★★★★★☆☆ (文春新書)2007
もう、読めないと思うと残念。『狐の読書快然』がまだ見つからない。
★★★★★★★★★☆ (講談社)2007
副題が“学ばない子どもたち 働かない若者たち”。いやー、内田さんの本読むといろいろ考えるなあ。例えば、「無知とは時間の中で自分自身もまた変化するということを勘定に入れることができない思考のことです」。ほう。
- 『となり町戦争』 三崎亜記
★★★★★★★☆☆☆ (集英社文庫)2006
一番面白かったのが、となり町戦争と言う初期設定なのがちいと残念だなあ。これ、恩田陸や東野圭吾が書いたら、もっと違う濃度の話になるのに、と思えるし。
★★★★★★★★☆☆ (洋泉社)2004
巻末で内田樹さんが書いているが、“オーバーアチーブ”と言う考え方がふうむと思う。「オーバーアチーブ」とは「その仕事をしますと約束した以上の仕事をすること」、あるいは「借りた以上に返す」ことである。アングロ・サクソン的会社経営ではオーバーアチーブは求められていないし、それに報いることも出来ない。会社に入った時にまさにオーバーアチーブしないよう、借りた分だけ真面目に返そう、としていたような。多分、それだと楽しくならないし、結果的に出来るようにもならないんやねえ。
これ、労働だけでなく、勉強でも同じような。大学入試に出る範囲だけを効率的に勉強しようとしても、面白くない。それを踏み越えて、無化しようと学習するところに喜びが現れる。「十八史略」読むことは効率的な世界史の成績の上げ方ではないだろうが、そうしないと勉強はつまらないねえ。
そして、今、ようやく分かったことがある。うちの高校は入学時に6冊の辞書を買うことが求められた。その中の一つに分厚い英英辞書があった。本当に在学中はひくことがなかく「こんなん買うだけ無駄だ」と感じていた。同級生もまず使ってなかったんではなかろうか。後に大学院入試の勉強をやる時に意識的に使って、ちょっと役にたった。購入後、8年が経っている。大学入試では必要なかったし無駄だった。しかしながら、高校生の私が英英辞書をひくようなまさに「オーバーアチーブ」をやっていたら、英語の勉強に喜びを感じたし、結果的に成績も上がったかもしれない。英英辞書を買わせると言うのは、母校の先生たちの慧眼でもあるのかな。
- 『異国トーキョー漂流記』 高野秀行
★★★★★★★★☆☆ (集英社文庫)2005
- 『棚。は生きている』 青田恵一
★★★★★★☆☆☆☆ (八潮出版社)2006
- 『怪しいシンドバッド』 高野秀行
★★★★★★★★☆☆ (集英社文庫)2004
- 『猿を探しに』 柴田元幸
★★★★★★★★☆☆ (新書館)2000
- 『人形作家』 四谷シモン
★★★★★★★☆☆☆ (講談社現代新書)2002
- 『世界屠畜紀行』 内澤旬子
★★★★★★★★★★ (解放出版社)2007
いやあ、読み応えがあり、かつ面白かった。堅苦しいお勉強本なら嫌だな、と危惧しないでもなかったので。本筋と離れるけど、犬を食べられるか、とは思った。芋虫やらトカゲやら蛇……は生じゃなければ大丈夫だと思うんだが、犬は厳しいかもなあ。
★★★★★★★★☆☆ (白水社)2007