『文庫本福袋』 坪内祐三

★★★★★★★★☆☆ (文藝春秋)2004
再読。「私は、今どきのオシャレ古本屋の、「どうです、センスいい棚並びでしょう」といった雰囲気がちょっと苦手だ(それは今どきの格闘技に対する、プロレス好きの私の異和に重なる)。」(p479)が印象に残る。セレクトされた感がうるさく感じる場合もあるわなあ。

良い町の条件。

古本屋は基本なんだが、他には50円ゲーセンというのも私の場合あったりする。ゲームマニアであったことはないのだが、50円のゲームセンターがあるという開発から取り残されたというか、ぬるい雰囲気の街が好きである。今の街には2軒あって喜ばしい限り。言葉では説明できないのだが、ゲームセンターで15分20分ゲームすると少し気分が晴れる、ということがあるんだよな。香山リカも『テレビゲームと癒し』という本の中で、深夜のゲーセンの魅力について語っていたけど、自宅でやるのとは違う何かがあるんだよな。

『明治大正翻訳ワンダーランド』 鴻巣友季子

★★★★★★★★☆☆ (新潮新書)2005
赤堤小つながりと言うわけではないが、『「近代日本文学」の誕生』の次に読むことになった。これが微妙につながっている。こう、日本の文学というものが成立する過程にかなり翻訳という文章が関わっている様が想像できて興味深い。ただもっと厚くても良かったかな。

『「近代日本文学」の誕生』 坪内祐三

★★★★★★★★☆☆ (PHP新書)2006
いろんな人が絡まって歴史が流れているのが面白い(それこそ固有名詞で知らない人も多いんだが)。引用の切り方が好奇心を引き付けるんだよな、坪内さんの場合。しかし、何故文春新書から出なかったんだろう。