電話する能力

子どもの頃、小学校の五年か六年であったろうか。子ども会の連絡かなにかで五、六軒の家に電話をしなくてはならない事態になったことがある。これがとんでもなく、悪戦苦闘した記憶がある。今もって覚えているくらいに。目的としている子どもが出てくれたら良いのだが、良く分かっていない父親とかに応対されてさらに、私も訳が分からなくなり、フリーズ状態である。一軒連絡して五分休み、なんてペースで行ったんではなかろうか。子どもの頃から、電話が苦手、というか、社会性の欠如は大人になるまで続いていた。たぶん、自意識の問題なのであろう。それでも、そこまで酷くては労働を行えるわけもなく、今はかなりまともに近づいてきたと思う。ダミープラグがうまく作用しているからであろう。労働を行っている時は、自意識のコアの部分とは直結しないようなペルソナ(ダミープラグ)をうまく活用したいと思っているわけである。そのペルソナが恥をかこうが、私が浸食されないように食い止める。それでも、時々、「パルス逆流、制御できません!!」(声:伊吹マヤ)的暴走状態に陥りそうな気配がして、冷や冷やする。「エントリープラグを強制射出」なんて思いながら対応している(そこまではないが)。なぜ、エヴァの比喩を書きたくなったかというと、毎週ナディアを見ているからで、今週とか、えらくハードだった。日中の腰弁稼業から開放された疲れた人間が見るには厳しいものだ。